先日クライアントさんのご紹介で、店舗ビジネスをしている方の相談に行ってきました。
その方は「自社のオリジナル商品」と「仕入れた商品」の両方を扱っています。
その方が考えている最大の問題点は『リピート率の低さ』です。なので、リピーターを増やすための相談をしたいとの内容です。
店舗の場合、僕は必ず体験したり見学したりするのですが、そこで発見出来る問題点、今回で言えばリピーターが増えない理由が見つかる時がよくあります。
そこで今回は、リピーターを増やす方法を探す前にやるべきことについてお話します。店舗ビジネスだけの話ではありません。
ここを知らないと、新規集客を繰り返すだけになりますよ。
忙しいのにリピーターは少ない
僕が見学に行った時、お客様もけっこういました。そして実際に購入している方もいました。
恐らく誰が見ても
- お客様が少ない
- いつも暇そうな店だ
といった感想を持つことはないでしょう。
実際忙しいようで、アルバイトの方も雇っています。
なのになぜリピーター獲得に悩んでいるのか。忙しいのにリピーターが増えない理由が何なのか。
相談者さんとしては
- オリジナル商品は品質も良く、買ってもらうと満足度も高い
- 仕入れた商品の値段も他店と比べて高くはない(ほぼ同じ)
なのになぜ?と不思議に思っています。
まずはビジネスの大前提について
ビジネスをする上で大前提となることがあります。
- 良い商品を提供する
- 良いサービスを提供する
「当たり前だろ!」って思った方も多いでしょう。
ですが、本当にその当たり前、特に良いサービスの提供が出来ていますか?
良い商品
質問があります。
“最近あなたが買った商品で良くなかった商品てありますか?”
なかなか思いつかなくないですか?
もちろん変な物を売っている人はいます。ですが、今の日本であれば100円ショップでもそれなりのクオリティの商品が手に入ります。(だから成り立っているわけですので)
ですので、良い商品というのは当たり前として認識して下さい。
コーチやコンサルタント、セラピストなどの“ひとりビジネス”をしている方は、少ないお客様にとっての『良い商品』を提供して下さいね
良いサービス
良いサービスというのは、当然『金額に対して』ということにはなります。
例えば、ホテルなどの場合はサービスに対しての期待は当然大きくなります。ですが、単価が安いお店には過度のサービスを求めることは基本的にはありません。わかりやすいところでは、コンビニとかはそうですよね?
ですが、共通して求められていることがあります。
それは
失礼な対応は金額に関係ない
最低限のサービスが0点だと仮定します。その際、ホテルでは50点以上が求められるとします。コンビニは0点でも良いとしましょう。
ですが、マイナスは絶対に駄目ということです。
実はここに大きな問題が隠れています。
というのも、サービスの質が求められるホテルなどは、マイナスがあると『クレーム』として表に出やすいです。もちろん全てではありませんが『出やすい=把握しやすい』のは確かです。
ですが、コンビニの場合はどうでしょうか?
接客が悪いという理由で『クレーム』を言う人は少ないと思います。
では、そのような方はどうするか?
他のお店に行く
これだけなんです。他のお店でも買える商品を、わざわざ不愉快な気持ちにさせる店員がいるお店で買う必要はありません。
このお店がリピーターが増えない理由とは?
話を相談者さんのお店に戻します。
今回相談者さんのお店で見ていて気づいたことがあります。
それが、
もちろんこれだけが原因というわけでは決してありませんよ。
ですが、商品を忙しそうに補充していたアルバイトの方が、顔も向けずに「ありがとうございました」と言っていたんです。それなら言わない方がましだなと感じました。
なぜなら、お客様は「ありがとうございました」と言われたら、そちらに顔を向けることの方が多いです。声が聞こえてるわけですし、会釈くらいはしてくれることも多いです。
そこで顔を向けたら「お尻かよ!!」ってなるくらいなら、気づかずに何も言わない方がよっぽどマシです。
初めにも言いましたが、このお店は
- 自社オリジナル商品
- 仕入れた商品
の両方を取り扱っています。
と言うことは、オリジナル商品ならサービスのマイナス面に目をつぶる可能性は高いですが、仕入れた商品は、ここで買う理由がなければ他に行ってしまうということです。
サービスの質は本人では気づかない
サービスの良し悪しは、本人では全く気づきません。同じお店にいる他のスタッフですら気づかないことがほとんどです。
「ありがとうございます」を言っていなければ、他のスタッフも気づきます。ですが、ちゃんと言っている以上なかなか気づかないのです。まして忙しい時に起こることなので。
このアルバイトの方も、非常に愛想もよく、接客の態度も悪いわけではありません。ただ忙しい時にたった1つの動作がおろそかになっているだけです。
「それが原因じゃないでしょう」
って思いますか?
もちろんそうかもしれません。人それぞれ不快に思うレベルも違います。
ですが、「絶対に原因ではない」とは言えないはずです。
少なからず僕はどれだけ美味しいお店でも、酷い態度の店員さんがいるお店には二度と行きません。
今回は酷い態度の店員さんとは違いますが、失礼になっているのは間違いないですし、お客様もそれを見ていたのは確認しています。
その状態で新規集客を頑張ったとしても、そのお客様をリピーターにすることは難しいでしょう。
今回お話したことは簡単に出来る修正点です。新たに色々試す前に、直すべきところを直すことこそ、まずはやってみることではないでしょうか。
まとめ
どんなに素晴らしい商品や、素晴らしいサービスを扱っていたとしても、当たり前のことが出来ていないお店のリピーターになることはありません。
そこに気づいていなければ、どれだけリピーター向けのサービスやテクニックを駆使した所で何の意味もありません。
よく「リピーター獲得にはサプライズだ!」などの話も言われます。確かに大切です。喜んでくれることは間違いないです。
そういった話ばかりが先行しているので、何かテクニックを使ってリピーター獲得をしようと考えがちになってしまうのです。
根本的な問題点を修正してからじゃないと、何をやってもリピーターが増えないと悩み続けるだけです。
まずは当たり前のことを当たり前にやる。
厳しいことを言いますが、それが出来ないならリピーターを増やすことは諦めて、ひたすら新規集客を続けることをオススメします。
大川
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