「ペルソナ」って聞いたことがありますか?
マーケティングに携わっていたり、少しでも勉強したことがあるなら聞いたことがあるかもしれません。

ビジネスを続けていけば、おのずと絞れてくるので、最初は大まかなターゲット選定で充分だからです。
ですが、もちろんペルソナを設定するメリットがあるのも理解しています。特に商品を考えるのであれば、極めて重要な工程の1つでもあります。
今回は初めて聞いた方はもちろん、聞いたことはあっても「よくわからない」「ちゃんと考えたことない」「そもそも必要?」という方にもわかやすく、ペルソナについてお話します。
目次
ペルソナとは?
ペルソナとは、元々は心理学者のユングが「人間の外的側面」と定義した心理学用語のことです。もちろん今回お話するのは、心理学についてではなく、ビジネスで使うペルソナです。
ビジネスで使うペルソナとは、あなたがビジネスをやっていく上での理想のお客さんのことです。
理想のお客さんのプロフィールを細かく設定することです。
なぜ細かいプロフィールの設定が必要なのかは、簡単に言うと「30代男性」とターゲットを決めても、年齢や性別だけで特徴をつかむのは難しい時代になったからです。
ペルソナが必要になった理由
ここまで情報が発達する前であれば、大雑把にターゲットを設定していたとしても、それなりにそのターゲットに響いていた時代がありました。
ですが、現在は生活の多様性などから、大まかに設定してもターゲットに響かないことが多くなってきたのです。ですので、出来るだけ細かく、もっと言えば1人の人物を設定してしまいましょうということです。
テレビや雑誌などのように、以前から使われている階層、例えば【F1層=20~34歳女性】などを使っている業界もあります。
ですが、30代男性の特徴は?と10人に聞けば、10通り答えが出てくるのが普通です。31歳と39歳でも違います。そのバラバラなイメージの中で、サービスや商品を考えたり、響く文章を考えるのは難しいですよね?
1人で考えるとしても複数のスタッフで考えるとしても、共通の認識が必要なので、ペルソナの設定は重要なのです。
ペルソナはどこまで細かく設定するのか
ペルソナをどこまで細かく設定するかですが、これはあなたの考えはもちろん、売りたいサービスや商品によって色々です。
ただ1つ言えることは、
あなたがどんな人にそのサービスや商品を提供したいか、あるいは使って欲しいか
をよく考えることが大切だということです。
では実際どんなことを決めるのでしょうか?
多くのケースでペルソナ設定時に決めている内容を、1例として下に書いてみました。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 血液型
- 家族構成
- 未婚or既婚
- 恋人の有無
- 年収
- 学歴(学校名も含む)
- 部活、アルバイト経験
- 趣味
- 職業(会社名や役職)
- 休日
- 休日の過ごし方
- 勤務時間
- 通勤時間
- 就寝時間
- WEBの利用時間
- 好きな食べ物
- 好きな映画
- 好きな本、漫画
- 好きなテレビ
- 好きな芸能人
などなど・・・本当に細かく設定する場合は、具体的な1人の人生が浮かび上がってくるくらにペルソナを設定します。
例えば(27歳で結婚し、35歳で離婚。その理由は旦那の浮気による。2人の子どもと一緒に高知の実家へ戻り、その後・・・)などなど。
商品開発の際にペルソナ設定をして大成功した例として、カルビーがあります。参考にリンクをはっておきます。
カルビー/自己流「ペルソナ」で大ヒット商品生み出すby日経情報ストラテジー
ペルソナを設定することはスタートにすぎない
ペルソナを設定することがゴールではありません。
ここがスタートです。
その設定した1人のペルソナに向けてのサービスや商品を開発することが目的です。そのためには、そのペルソナが抱える悩み、しかもお金をかけてでも解決したい悩みを考えます。
そして、そのペルソナが抱えている悩みの解決方法をしっかりと突きつめていきます。
お金をかけてでも解決したい悩みを解決出来る方法、手段=絶対に欲しがサービスや商品の開発に繋がるのです。
当然簡単ではありません。時間も労力もかかってきます。
この時間と労力がかかる点は、ペルソナ設定においてのデメリットになりますので、次で詳しくお話します。
ペルソナのメリットとデメリット
当然ですが、ペルソナを設定する上でメリットもデメリットもあります。それぞれを見ていきましょう。
ペルソナのメリット
- サービスや商品の完成度が高くなる
- 理想の顧客の傾向(生活スタイルなど)が細かく理解できる
- チームで商品開発などを行うときは、メンバーの方向性や理解度が共通する
こうやって見ると、大切なことばかりですよね?
ペルソナのデメリット
- 時間と労力、コストがかかる
- 発想力を潰してしまう可能性がある
大きくはこの2つです。はっきり言ってしまうと、デメリットはあまりないです。
デメリットの中にある時間と労力、コストがかかる点についてですが、費用をかけることが出来るのであれば、設定に近い見込み客さんからたくさん話を聞くなどすれば、より失敗する可能性を減らすことが出来ます。
ペルソナとして設定した方たちの声を直接聞けるのであれば、その声は多ければ多いほどいいわけです。
ただ予算も限られていて、インタビューなどもあまりできない時はどうしても推測部分が多くなります。
なので実際とは乖離してしまう可能性が高くなります。
当然ですが費用をかけても乖離は起こりえるので、何度もペルソナを見直す必要が出てくることがあるという点は頭に入れておきましょう。
まとめ
ペルソナを設定することで
- 商品やサービスの完成度が高くなる
- 理想の顧客の傾向(生活スタイルなど)が細かく理解できる
- チームで商品開発などを行うときは、メンバーの方向性や理解度が共通する
といったメリットがある反面、時間やコストがかかることがわかりました。
一番最初に僕の考えをお話しました。
コンサルタントやコーチ、インストラクターやセラピストのような、あなた自身がサービスを通して価値を提供するビジネスについては、最初から細かくペルソナを設定して始める必要はないという考えです。
ビジネスを続けていけば、おのずと絞れてくるので、最初は大まかなターゲット選定で充分だという話もしました。
誤解のないように言っておきますが、そのターゲットがかかえている悩み、しかもお金を払ってでも解決したい悩みを考えることは同じです。そして、その悩みを解決する方法、手段を提供することが、あなたのサービスや商品になることも同じです。
つまり、どれだけ細かくペルソナを設定しても、
- その人の悩みに気づけない
- 悩みに気づいたとしても、それを解決する方法がわからない
- 悩みを解決する方法が間違えている
これでは全く意味がなくなってしまいます。
大切なのは悩みを解決してあげること、それがあなたがお客さんに最高の価値を提供することになるのです。
大川