1週間ほど前に、日本経済新聞の中で
「宅配ボックス普及へ補助金 再配達減らし効率化 政府、まず500カ所」
というニュースがありました。
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どのような内容かと言うと
「インターネット通販の拡大で深刻化する物流業者の人手不足や交通渋滞を解消するため、官民が受取人の不在時にも荷物を預けられる宅配ボックスの普及に取り組む。政府は4月から設置費用の半額を補助する制度を新設し、業者が駅やコンビニに宅配ボックスを設置するのを後押しする。」
そもそもで言えば、
税金を使うことじゃないですよね?
という話にはなってしまうのですが、このニュースから得られる、あなたのビジネスでの失敗を防ぐためのお話です。
目次
まずは現在の宅配便の状況(飛ばしても大丈夫)
平成27年度の宅配便取り扱い数は約37億個です。
前年度と比べても、1億個以上増えています。
その中で、今回対策をしようという話になっている原因の再配達が発生する割合は、なんと20%にもなるそうです。
つまり
37億個の20%なので、7億4000万個もの荷物が再配達となっています。
ここで出てる問題点として
- 労働力の問題(再配達により発生する労働時間は約1.8億時間。約9万人の年間労働時間に相当)
- CO2の問題(再配達によって発生するCO2排出量は山手線の内側2.5個分と同じ広さの杉林の年間CO2吸収量に相当。ピンともきませんが、凄い量なのはわかりますよね?)
ちょっと前にあった、宅配ドライバーがお客さんの荷物を投げたりしていた動画が話題になりました・・・なかなか酷い荒れっぷりでしたが、この数字を見ると荒れたくなる気持ちもわからなくはないです。絶対にやってはいけませんけど。
そこで今回、この再配達問題を解消するために、宅配ボックス設置案がでているわけです。
参考資料
宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会 報告書
これ、どれほどの意味がありますか?(ここからが本題)
先ほど現在の宅配便についての状況をお話しました。
再配達の数は7億4000万個もあるとわかりました。
宅配ボックス設置は500ヶ所です。
全くインパクトないですよね?
恐らく、国としては、働く環境などについて考えてもらいたい点や、再配達した時はせめてちゃんと受け取ってあげて、といったことを国民に伝えるためにやったのかもしれません。
500ヶ所の宅配ボックスを設置したからといって(今後増やすとしても)何の解決にもならないことはわかっているはずです。
(とはいえ、税金を使うのはおかしな話ですし、それをやるなら本来配送業者が作るべきでしょ!!という点は置いておきます)
例えばこれが、
「年間の再配達の数を半分にするだけの宅配ボックスを作ります!」
と言われたら印象に残りますし、もっと大きなニュースにもなったはずです。
(その分もっと大きな反対運動が起きるでしょうけど・・)
ですが、7億4000万個に対して500ヶ所って言われても気に留めないですよね?
あなたも同じ間違いをしているかも
同じ間違いとはどういうことでしょうか?
一番多いのは、印象に残らない割引です。
ここで話しているのは、お客さんが最初にあなたのサービスや商品を購入する際での割引です。
マーケティングで言う『フロントエンド』です。
『フロントエンド』とは、最初に見せる購入しやすいサービスや商品と考えてください。
もう1つ『バックエンド』という言葉もあります。
『バックエンド』は、『フロントエンド』を購入してもらったお客さんに、本来あなたが買って欲しいサービスや商品のことを言います。
英語コーチを例とすると
- フロントエンド⇒お試しコーチング60分500円
- バックエンド⇒短期集中マンツーマンコーチング3カ月20万円
といったイメージです。
あなたのサービスや商品にとって、1割引きで大きなインパクトを残せますか?
2割引ならどうですか?
お客さんが
「こんなに安くなっているなら、試してみたい!」
となる割引率になっていますか?
もし、インパクトを与えるくらいの割引をしないなら、割引しない方がよっぽどましです。割引しないという価値の高め方もあります。
一番良くないのは、印象にも残らない中途半端な割引です。
少ない割引でも影響がある商品
世の中には少ない割引でも、お客さんを多く呼べる商品もあります。
それは、
食料品や生活必需品です。
スーパーなどは、例えば火曜日だけ10%OFF、17時以降は全品1割引という施策をよくやっています。
その曜日、その時間ははっきりわかるくらい混んでいますよね?
毎日の生活に関わる物は、少しの割引でも影響力は大きいです。
ですが、あなたのサービスや商品は、恐らく毎日の生活必需品とは違うはずです。
であれば、お客さんが嫌でも気になる割引率にしなければ、目に留まることすらないのです。
徐々に値下げと徐々に値上げ
誰でも自分のサービスや商品を安売りしたくはありません。
特に多いのが、値段は安く設定してしまうのに、値下げはしたがらないケースです。
もっとサービスや商品自体の値段を上げるべきですが、そこはあまり強気にいけません。にも関わらず、値下げには消極的です。
最初は10%引き、反応がないから15%引き・・・このパターンになってしまいます。
僕はこのやり方はオススメしません。
むしろ逆に値上げしていくやり方をオススメします。
徐々に値上げを薦める理由
徐々に値上げするやり方を薦める1番の理由は、
お客さんが、これ以上値上がりする前に購入しようという気を起こしやすいからです。
最初にインパクトのある値下げをします。そこで気になったお客さんは、その時に購入に繋がらなくても、気にはなり続けます。
その、気になっているサービスのお試し金額が、次に見た時に
「好評のため、値上げしました」
となっていたらどうでしょうか?更に次に見た時も上がっていたら?
※もちろん数の限定などの要素があるともっと反応は上がりますが、今回は金額だけでお話します。
「人気があるから、これから更に上がるかも。。これ以上値上がりする前にお試しだけなら」って思う人は出てきますよね?
もちろん他にも理由はあります。
- 早く購入してくれたお客さんほど優遇される(徐々に値下げはこの逆になってしまいます)
- 1つでも売れたら、前向きに値段を上げられる(自分のサービスや商品に自身がつくので、あなた自身がそのサービスや商品の価値をより高く感じられるようになります)
- 忙しくなるにつれて、お客さんの質があがる(質と言うと誤解されるかもしれませんが、値段が上がってから購入してくれる人は高い価値を感じていることが多いです)
しかも、徐々に値上げをしていくと、たまに【1日限定で値下げ(期間限定)】をしたり、【頑張って対応枠を増やしたので、2名だけ値下げ(人数限定)】などを行った時にも、説得力が違います。
これが徐々に値下げしているサービスや商品だったら
「どうせ嘘でしょ?売れないから限定ってしたんでしょ?」
ってなりやすくなってしまいます。
まとめ
これからあなたが金額に関わる施策を打っていく際に必要なお話をしました。
- 印象に残らないならやらない方が良い
- 値下げは最初に大きくが肝心
- 値段は徐々に上げていく
これらは単純ではありますが、ほとんどの人がやっていません。
むしろこの逆の行動を取っていることがほとんどです。
今回のお話も、費用をかける必要のない方法です。
是非、お試し下さい。
ただし、最後に注意点を1つだけ
バックエンドのサービスや商品をしっかり用意しておくことをお忘れなく!
大川
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