『リスクリバーサル』という言葉を聞いた事がありますか?金融に関わっていたり、ご自身で投資などをしていれば聞いた事があるかもしれません。
僕が話しているので、当然ですが金融の話ではありません。これからお話するリスクリバーサルはマーケティングでのリスクリバーサルです。
一番わかりやすいのは『返金保証』です。
ですが、
リスクリバーサルとは返金保証だけではありません。
あなたは正しく使えてますか?
目次
リスクリバーサルとは
あらためまして・・・
リスクリバーサルという言葉は金融界(特にFXなど)で使われることが多いですが、マーケティングでの意味をお話します。
直訳すると「リスク=危険」、「リバーサル=反転・逆転」という意味になります。
つまり
お客様が感じるリスクを、買い手ではなく売り手であるあなたが負うことで、購入に対する金銭的・心理的なリスクを取り除くことです。
お客様のリスクとは、お金を払うことです。
なぜなら、その商品を購入するまでお客様が支払う金額だけの価値があるかがわからないからです。
どれだけ商品の良さを伝えても購入に至らないのは、このような原因もあります。
ですので、そのリスクを取り除いてあげる事で購入へと導いてあげるのです。
リスクリバーサル=返金保証という勘違い
どのようなリスクリバーサルを取っているかを聞くと、ほとんどが「返金保証」と答えます。
確かにお金を支払う上で、最も大きな保証であることは間違いありません。
ではなぜ皆が同じように返金保証ばかりにとらわれてしまうのでしょうか?
それは、
『リスク=お金』としか考えていないからです。
実はお客様にとってのリスクとは、お金だけではありません。そのサービスや商品によって、リスクは変わってきます。お金を支払う事以外にどんなリスクがあるか、そしてどうやってそのリスクを取り除く事が出来るのかを考える必要があります。
スマホやパソコンを購入した人へのリスクリバーサル
例えば、初めてスマホを購入した方がいるとします。
初期設定をして数日使ってみたけどいまいち使い方がわかりません。
このような時、そのお客様にとって
- 使い方がわからなければ返金します
- 使い方がわからなければ24時間対応の電話対応サポートがあります
ではとちらがリスクを感じないでしょうか?
パソコンなどもそうですが、
「色々設定したけどわからないから商品を返して返金してもらおう」
とは、なかなかなりませんよね?面倒くさくて仕方ありません。
このように機械など使い方に不安がある方にとってのリスクリバーサルは、
お金ではなく使えるようになるためのサポートの方が重要
と考える事が出来ます。
よく使われる返金保証は、あくまでもリスクリバーサルの中の1つでしかないのです。
オリジナル商品のリスクリバーサル
もう1つ例を出します。
例えば、世界に1つしかないオリジナル商品てありますよね?
すぐに思いつく物としては、お客様の写真や似顔絵を入れた商品などがそうです。
では、似顔絵を入れた世界に1つしかないマグカップが商品だとすれば、お客様にとってのわかりやすいリスクって何でしょうか。
一番のリスクは「似顔絵のクオリティ」ですよね?
サンプルを見て信用してから決めていたとしても、「全く似ていなかったらどうしよう・・・」というリスクは感じているはずです。
ましてやそれがプレゼントとなると、余計に不安は大きいはずです。
そういった心配が多いであろうということを理解していれば、
- 似顔絵を描いた時点でお見せします
- 修正は2度まで可能です
- 3度目から有料(300円)です
などといった案内があれば、出来上がりを見て「似てない・・・」となる心配=リスクを解消することが出来ます。
お客様が購入するための不安要素を1つ消すことが出来ました。
このように、考えられるリスクを1つ1つ解消し、それを先に案内してしまえば、お客様が購入するために伴う「お金を払う痛み」を減らすことが可能になるのです。
先ほどの似顔絵マグカップのリスクリバーサルが、返金保証だったとしたらいかがですか?
実物が届いて納得いかず、返金してもらいたいけどプレゼントを渡すのは明日なのに。。ということにもなりかねません。
あるいは自分の似顔絵が入った商品を返すことに抵抗がある方も多いと思いませんか?
あなたの商品に対するお客様の気持ちを知る
あなたの商品を購入するにあたって、どんなリスクがあるかを考えたことはありますか?
もしないのであれば、早速考えてみて下さい。
いくつか問題点が出てくるはずです。
その問題点を1つ1つ解決する手段を用意する必要があります。
それが正しいリスクリバーサルです。
リスクリバーサルの注意点
リスクリバーサルをつける事で購入はしてもらいやすくなります。ですが、当然それに伴って注意しなければならない事もあります。
特に返金保証の場合は要注意です。
大きくは2つありますので、順番にお話します。
リスクリバーサルの注意点①取り敢えず客が増える
あなたがコンサルタントやコーチ、インストラクターやセラピストのような、人に価値を与えて対価を得るビジネスをしているなら、この「取り敢えず客」が一番の問題です。
「取り敢えずやってみて駄目なら返金してもらえばいいや」という人ならまだ良いですが、最初から返金するつもりの人までが試しに来る割合が増えます。
人はお金を支払う事で成果を出すという側面もあります。支払う額が大きければ大きいほど成果が出やすくなります。
にも関わらず、このような人が1人いると、個別のサービスならまだマシで、グループでのサービス提供だと周りの方にも悪影響を及ぼします。
返金保証=無料でやれる
という考えの人も少なからずいますので、あらかじめそのつもりでやりましょう。
リスクリバーサルの注意点②保証条件の明確化
こちらは先ほどとは逆に、商品を取扱っているケースで特に注意が必要です。
どういう事かと言うと、わかりやすく返金でお話しますが、
返金の条件をしっかりと伝える
という事です。
よく「未開封の場合」ってありますが、実際未開封じゃ判断出来ない商品が多いですよね?そもそも未開封で判断出来るなら、購入前に判断出来ます。
残念ながらこのようなケースがよくあります。
その時点でリスクリバーサルになっていません。
しかも、それをきちんと伝えていれば問題ないのですが、伝わっていない事があります。
そのため、先ほどのように「未開封で判断出来るか!!」というクレームになってしまうのです。
大切な事は、
誰からも明確であり、あくまでもリスクはあなたの側にある
という事が条件です。
やるかやらないかは別として、「いかなる場合でも理由を聞かず返金します」が最もわかりやすい条件です。
ここまではやらないとしても、繰り返しますが
誰から見ても明確である必要があるのです。
まとめ
お客様がお金を払うときには必ず痛みを感じています。
なぜなら、できることならお金を払うことなく商品を手に入れたいからです。
しかしそれが出来ないことは誰でもわかっています。
そのため、次に考えるのはリスクゼロで商品を購入することです。
『お金のリスク』『使い方に対するリスク』『仕上がりに対するリスク』など、あなたの取り扱うサービスや商品によって色々なリスクがあります。
それらを解決する手段を全て考え、そしてそれを提示してあげましょう。
リスクがないサービスや商品には、快く購入へと行動してくれるはずです。
大川
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